2006-01-01から1年間の記事一覧

舞城王太郎『熊の場所』

熊の場所 (講談社文庫)作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/02/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 31回この商品を含むブログ (129件) を見る 文庫落ちしたんで再読。 「熊の場所」、「バット男」、「ピコーン」の三編。再読してふと思っ…

岡田晴恵『感染症は世界史を動かす』

感染症は世界史を動かす (ちくま新書)作者: 岡田晴恵出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/02メディア: 新書購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (26件) を見る 感染症(ペスト、結核、ハンセン病など)がその当時のひとびとへ与えた影響を、文…

丸谷才一『闊歩する漱石』

闊歩する漱石 (講談社文庫)作者: 丸谷才一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/02/16メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (12件) を見る 闊歩する漱石、そして闊歩する丸谷才一ってところ。 漱石をモダニズム作家と位置づけて、世界文学の中…

ポール・オースター『最後の物たちの国で』

最後の物たちの国で (白水Uブックス―海外小説の誘惑)作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 白水社発売日: 1999/07/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (71件) を見る オースターの諸作品の半分も読ん…

三島由紀夫『対談集 源泉の感情』

源泉の感情 (河出文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/02/04メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 12回この商品を含むブログ (14件) を見る 19編の対話の内、13編を選び6編を割愛した、と断り書きがあった。「現代作家はかく考え…

ポール・オースター『鍵のかかった部屋』

鍵のかかった部屋 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 白水社発売日: 1993/10/01メディア: 新書購入: 6人 クリック: 35回この商品を含むブログ (83件) を見る ニューヨーク3部作の3番目。 3部作…

Arctic Monkeys『Whatever People Say I Am,That's What I'm Not』

Whatever People Say I Am Thats What I Am Notアーティスト: Arctic Monkeys出版社/メーカー: Domino発売日: 2006/02/21メディア: CD購入: 2人 クリック: 40回この商品を含むブログ (135件) を見る なんだかArctic Monkeysのまわりでメディアが騒いでるよう…

ポール・オースター『幽霊たち』

幽霊たち (新潮文庫)作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/03/01メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 46回この商品を含むブログ (166件) を見る まさに「幽霊たち」が動き回る、そういう書き方なんじゃないか。…

ポール・オースター『シティ・オヴ・グラス』

シティ・オヴ・グラス (角川文庫)作者: ポール・オースター,Paul Auster,山本楡美子,郷原宏出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1993/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (58件) を見る 再読。 真ん中あたりでクィンとオースターが…

小野正嗣「森のお菓子屋」(『文學界』2006年3月号)

過去にもこういう作風で父と息子の話の小説を書いてた気がする。冒頭に書かれている片方の乳房を出した老女というのが出てきた小説だった気もする。記憶があいまい。 その小説は分かりにくかった気がするんだけれども、今回の小説は難解とは感じなかった。ま…

青来有一「貝」(『文學界』2006年3月号)

今回の小説も長崎を舞台にしている。 真夜中に海が押し寄せてくると感じる「ぼく」が朝目覚めるとその証拠となりそうな貝殻を見つけるということから小説が始まる。貝殻を集めるなかで亡き娘の記憶がつぎつぎに想起されてくる。 ゴミ捨て場で会ったおじさん…

平野啓一郎「クロニクル」(『新潮』2006年3月号)

父Pと子Jについての一側面が、Pに関わった女性とJに関わった女性の口からそれぞれ語られる。女性の語り口調から聞き手がいることがわかるけれども、女性の反応からしか聞き手の存在というのは感じられない、そんな文章となってる。 別に平野啓一郎のファンじ…

北村薫『詩歌の待ち伏せ1』

詩歌の待ち伏せ 1 (文春文庫)作者: 北村薫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/02/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (20件) を見る 北村薫が詩歌との出会いを書くという趣旨。北村薫が出会ってしまったそのときの感覚を言葉に丁寧に置き換えて、その…

ゴダール『映画史Ⅰ』

ゴダール/映画史〈1〉作者: ジャン=リュック・ゴダール,奥村昭夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1982/07メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 20回この商品を含むブログ (19件) を見る だいぶ前に買っていたのだけれども、映画への興味が薄れるにつれて読…

東浩紀『動物化するポストモダン』

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/11/20メディア: 新書購入: 42人 クリック: 868回この商品を含むブログ (597件) を見る パラパラと読み直す。 直近に『敗戦後論』を読んだ…

加藤典洋『敗戦後論』

敗戦後論 (ちくま文庫)作者: 加藤典洋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (55件) を見る 文庫化。なんとなく読み直してみた。 いつも思うのはこの人の文章は読みにくい。へんに比喩を使っ…

鈴木清剛『ロックンロールミシン』

ロックンロールミシン (新潮文庫)作者: 鈴木清剛出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/05メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (33件) を見る 鈴木清剛の作品のなかではこの作品が好きかもしれない。 といっても、これも青春を描いているわけで…

鈴木清剛『ラジオデイズ』

ラジオデイズ (河出文庫―文芸コレクション)作者: 鈴木清剛出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2000/10/01メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (26件) を見る ふつうの日常を描いた青春小説というふうにいっていいんだろうけれども、冒頭か…

牧野洋『最強の投資家バフェット』

最強の投資家バフェット (日経ビジネス人文庫)作者: 牧野洋出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2005/04/29メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (35件) を見る バフェットとバフェットの投資先のことについてざっくりと書いてあ…

マーク・トウェイン『人間とは何か』

人間とは何か (岩波文庫)作者: マークトウェイン,Mark Twain,中野好夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1973/06/18メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 37回この商品を含むブログ (39件) を見る 面白かった。 表紙には『「人間が全く環境に支配されながら自…

ジョン・アーヴィング『熊を放つ』

熊を放つ〈上〉 (中公文庫)作者: ジョンアーヴィング,John Irving,村上春樹出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1996/02/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 40回この商品を含むブログ (40件) を見る熊を放つ〈下〉 (中公文庫)作者: ジョンアーヴィング,Jo…

小林信彦「うらなり」(『文學界』2006年2月号)

『坊っちゃん』に出てくる、うらなりが語る主体となった小説。『坊っちゃん』の世界から30年ぐらいが経った時代設定。山嵐も年をとって出てくる。 うらなりが「おれ」=「五分刈り」をどう思っていたかとが見えてくるし、うらなりが『坊っちゃん』の世界から…

夏目漱石『坊っちゃん』

坊っちゃん (岩波文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1989/05/01メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 70回この商品を含むブログ (60件) を見る 小林信彦「うらなり」を読む前に読み直してみた。文章のノリがいいんでスラスラ読め…

青木淳悟「いい子は家で」(『新潮』2006年2月号)

面白い。 けど、後半以降のバターを食べ始める部分とか父親の部分とか想像が膨らむというか幻想小説っぽいところがあまり好きじゃない。 でも、前半部分の母親のなんともいえないディテールの部分がすごく肯けるような話なので面白い。 これを書く作家もすご…

小島信夫「残光」(『新潮』2006年2月号)

スゴイ。

川端康成『雪国』

雪国 (新潮文庫)作者: 川端康成出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/05メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 118回この商品を含むブログ (198件) を見る 東京に雪が降ったからというのもあるんだけど、積読中の文庫から取り出して読んでみた。 小説の書き出し…

大江健三郎『洪水はわが魂に及び』

洪水はわが魂に及び (上) (新潮文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1983/05メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 10回この商品を含むブログ (18件) を見る洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日…

ジャレド・ダイアモンド『文明崩壊』

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)作者: ジャレド・ダイアモンド,楡井浩一出版社/メーカー: 草思社発売日: 2005/12/21メディア: 単行本購入: 19人 クリック: 319回この商品を含むブログ (198件) を見る文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)…

永井均『ウィトゲンシュタイン入門』

ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/01/01メディア: 新書購入: 11人 クリック: 70回この商品を含むブログ (115件) を見る 社会の混乱をチェックしつつも、これをパラパラと読み直してみた。 内容はほ…

堂垣園江「壁の住民」(『群像』2006年2月号)

堂垣園江の作品をいままで読んだことがなかったのだけど、気が向いたので読んでみた。 思ったより面白く読めた。 ツアーガイドの羽塞が日本人の田所を連れて、中国の田舎の村へと向かう。そこで羽塞の知り合いと出会ったり奇妙な体験をする、というお話。中…