責任に時効なし

責任に時効なし―小説 巨額粉飾

責任に時効なし―小説 巨額粉飾

読了。
ふつうに経済小説として読んでも面白いかも。
前半の「逆さ合併」による含み損の解消スキームとか、勉強になるし。
まぁ、途中に挟まれる女性との関係なんてのはご愛敬としても、それなりに面白いのでは。
実際の某社と比較して読むのもいいのだろうし。
う〜ん、とにかく評価は難しい。
著者は真相を世の中に示したかったのだろうけど、それならノンフィクションで書いてほしい気がするし、題名にもなっている「責任に時効なし」が当然ながら著者自身にも跳ね返ってくるものであれば、第三者に書いてもらうのもひとつの手だった気がする。とにかく当事者が書くというのは微妙な立ち位置だなぁと。
いずれにしても、ガバナンスのあり方とか、企業倫理のあり方とかいろいろな論点はあるんで、重い内容でもある。

情報革命バブルの崩壊

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)

コンパクトにまとめられていて良かった。
ネット広告によるビジネスモデルはそれはそれでネット広告単価が低くて収益的に苦しいので、今後も大変だろうなぁと。
mixiやグリーにはとりあえず注目。両社とも次にどういう展開をするか。グリーも上場後はお金が余るのではないかな。mixiみたいにとりあえず国債でも買うのか?

読書

M&Aとガバナンス―企業価値最大化のベスト・プラクティス (MBAコーポレート・ファイナンス)

M&Aとガバナンス―企業価値最大化のベスト・プラクティス (MBAコーポレート・ファイナンス)

ずーっと前に買っておいた本。
あまり期待せずに読み始めたが、意外とよかった。
M&Aについてコンパクトにまとまっているし、ガバナンスの観点は意外に重要だなとも感じられた。
最後の対談部分は、佐山氏がまだファンド時代のころのようで、それが貴重な感じではあるけど、それなりに面白い。
DDとかや戦略性とかは当然の前提としてあって、それをどのような手続きをとって行い、アカウンタビリティを充足していくか。その際の取締役会の重要性。M&Aの後のことも結局はその手続きに含まれていくということなのだろう。それらをすべて包含した、good dealというのはたとえばどういうものなんだろうか。実例があるとありがたい。

実際のところ、取締役会における社外取締役は、完全に独立した存在としてあるかというと疑わしい。取締役の人的関係がかならずあるような気がする。意識して社外独立取締役を選任しなければならない。そういう意識をもってない取締役会に対してどう対応していくかが難しいところか。

『まぐれ』を読んだ。
久しぶりによい読書をしたなぁと思う。
「物事は私たちが思っているよりもたまたまなんだ」ということに尽きるのだが、そう思えない人間の脳のあり方(心のあり方)にまでつっこんだ文章の展開で、本書の内容は幅が広い。
トレーディングの例をひとつとっても面白いので、それを入り口にする人が多いのだろうし、私もそうだったが、それ以上の内容を含んでいる。


あまり読書ができず。

実践M&Aハンドブック

実践M&Aハンドブック

愚直に積め!―キャピタリストが語る経営の王道・99

愚直に積め!―キャピタリストが語る経営の王道・99

どれもいまいちだなぁという印象。
たぶん読み手の気分にもよるのだろうけど。
いまいちでも、それなりに得るものはあるにはあるけどなぁ。
でも、なんだかんだいって、全体としてはいまちかな。

管理会計や戦略会計は実践に移すときは相当大変なのではないかと思う。
ただ、その苦しみを乗り越えると、すごく便利な経営管理ツールになるのだろう。そう思う。

高田直芳の実践会計講座 「戦略会計」入門

高田直芳の実践会計講座 「戦略会計」入門