2006-02-14から1日間の記事一覧

小野正嗣「森のお菓子屋」(『文學界』2006年3月号)

過去にもこういう作風で父と息子の話の小説を書いてた気がする。冒頭に書かれている片方の乳房を出した老女というのが出てきた小説だった気もする。記憶があいまい。 その小説は分かりにくかった気がするんだけれども、今回の小説は難解とは感じなかった。ま…

青来有一「貝」(『文學界』2006年3月号)

今回の小説も長崎を舞台にしている。 真夜中に海が押し寄せてくると感じる「ぼく」が朝目覚めるとその証拠となりそうな貝殻を見つけるということから小説が始まる。貝殻を集めるなかで亡き娘の記憶がつぎつぎに想起されてくる。 ゴミ捨て場で会ったおじさん…