2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

青木淳悟『四十日と四十夜のメルヘン』(新潮社ISBN:4104741019)

一部で話題になった(?)青木淳悟の作品を読んでみた。新潮新人賞受賞作「四十日と四十夜のメルヘン」と「クレーターのほとりで」。 へんな小説だと思う。もちろん褒め言葉だけど。賞賛するのが上手な高橋源一郎の書評http://book.asahi.com/review/TKY200504…

松本清張「陸軍士官学校事件」(『昭和史発掘4』文春文庫ISBN:4167697033)

徐々に二・二六事件へと話が向かっている。『昭和史発掘4』には他に「小林多喜二の死」、「京都大学の墓碑銘」、「天皇機関説」が収録されている。それらは小林多喜二のこと、滝川事件のこと、天皇機関説のことを中心にしつつ、その当時の日本の状況がどん…

The Ordinary Boys 『Over the Counter Culture』(asin:B0002H2LYO)

昨年のUKロックの新人の中ではお気に入りのThe Ordinary Boys。新作『Brassbound』(asin:B0009UBSLQ)が出たんで、聴きなおしてみた。なんていうか健全だなぁと。へんにメランコリックでもないし、へんに反発・反抗を示そうとしているわけでもないし、バンド…

fountains of wayne 『Welcome Interstate Managers』(asin:B00009QGF2)

買ったまま抛っておいたのをふと聴いてみたら、思いのほか良かった。米国のバンドだけど、The BeatlesやOasisといったブリティッシュロックまんまの音。というか、Oasisっぽい曲がOasisよりもOasisらしいってのはどういうこと?まぁ、だけど、ブリティッシュ…

松本清張「五・一五事件」(『昭和史発掘3』文春文庫ISBN:4167697025)

五・一五事件の発生の過程とその影響をひもとく。発生の過程としては、五・一五事件の前に起こった血盟団事件から話を展開している。五・一五事件の公判やその波及、世論への影響を見て、二・二六事件をも見据えた内容となっている。教科書では感じることの…

平野啓一郎「やがて光源のない澄んだ乱反射の表で……/『TSUNAMI』のための32点の絵のない挿絵」「異邦人#6−4」「母と子」(『新潮』2005年7月号)

平野啓一郎の実験的な作品群。実験的としか言いようがなく、戸惑うばかりだ。 「やがて光源の…/…」は小説と詩のような断片の連なりとを読んでいると共鳴するようなものがあるし、独立しているようにも感じられる。「異邦人#6−4」はふつうの短編として理解…

蓮実重彦「『赤』の誘惑」(『新潮』2005年7月号)

文芸評論に戻ってこないかなぁとか思いつつ、映画評論をちらちらと読んでいて、それからこの文章を読むと、ああやっぱり文芸評論も映画評論もつながっているのだなぁと思う。改めて思うと言った方がいいか。いずれにせよ、老人パワーに期待。

青山真治「死の谷’95」(『群像』2005年7月号)

なんとなく作家としての青山真治が気になっていたので読んでみた。兄・一郎の依頼から弟・次郎が探偵をして…という始まりで、嫂を尾行する。その探偵ごっこをきっかけに、次郎は探偵業を始めてというのが第2部。その第2部で関わる依頼が最終的には第1部に…

ミクロ、動学マクロ

id:svnseedsさんがミクロ経済のテキストに関して書いていたので、なんとなく思い出してみると、僕は武隈のミクロ経済学(ISBN:4883840042)から入ったので、ミクロ経済学はこんなもんだと。その後、ミクロだと、西村和雄のミクロ経済学入門(ISBN:4000021931)や…

丸山健二「バス停」+中沢けい「入江を越えて」+田中康夫「昔みたい」+宮本輝「暑い道」+北杜夫「神河内」+金井美恵子「水の色」(講談社文芸文庫編『戦後短編小説再発見1・青春の光と影』ISBN:4061982613)

丸山健二「バス停」。田舎に帰省した都会で働く女性が、バス停であれこれと…。都会と田舎の間での揺れ。 中沢けい「入江を越えて」。少女の心の揺れ。それと性。 田中康夫「昔みたい」。結婚を控えた女性の心の揺れ。青春を終えるか終えないかの微妙な揺れ(…