鈴木清剛『ラジオデイズ』

ラジオデイズ (河出文庫―文芸コレクション)

ラジオデイズ (河出文庫―文芸コレクション)

 ふつうの日常を描いた青春小説というふうにいっていいんだろうけれども、冒頭から昔の知り合いでそこまで親しくもない、むしろ嫌いな奴が居候として転がり込んでくるという展開なので、ふつうかどうかは微妙でもある。
 とはいえ、それ以降の男2人の微妙な空気感とか彼女との感じとかはあくまでふつう。洗濯の干し方のこだわり(バッバッと洗濯物を空に切ってからバランスよく配色よく干すとか)であったり、部屋の雰囲気とか、ほとんど外食だとか、そういうディテールはふつう。