三島由紀夫『対談集 源泉の感情』

源泉の感情 (河出文庫)

源泉の感情 (河出文庫)

 19編の対話の内、13編を選び6編を割愛した、と断り書きがあった。「現代作家はかく考える」(大江健三郎)、「新人の季節」(石原慎太郎)、「ファシストか革命か」(大島渚)、「劇作家のみたニッポン」(テネシー・ウィリアムズ)、「歌舞伎滅亡論是非」(福田恆存)、「捨身飼虎」(千宗室)が割愛される。で、新規に、武田泰淳との「文学は空虚か」が収録されている。
 文庫版として出版するなら初版と同じ内容にしてくれよと言いたくなる。ただたんに僕が大江健三郎のファンだからかもしれないけど…。
 だけど、新規に収録された武田泰淳との対談はすごく面白い。三島由紀夫をしっかりと受け入れて、救おうとさえしている感じが出てる。安部公房との対談も面白かった。この2つの対談はいまにも十分通じるような内容をもっているんじゃないかと思う。