小林信彦「うらなり」(『文學界』2006年2月号)

 『坊っちゃん』に出てくる、うらなりが語る主体となった小説。『坊っちゃん』の世界から30年ぐらいが経った時代設定。山嵐も年をとって出てくる。
 うらなりが「おれ」=「五分刈り」をどう思っていたかとが見えてくるし、うらなりが『坊っちゃん』の世界から退場して以降の話も面白い。うらなりらしさがあるなぁと思わせた点で成功しているんじゃないかと思う。
 小林信彦についてはほとんど無知なので何もいえないけど。