2005-06-16から1日間の記事一覧

平野啓一郎「やがて光源のない澄んだ乱反射の表で……/『TSUNAMI』のための32点の絵のない挿絵」「異邦人#6−4」「母と子」(『新潮』2005年7月号)

平野啓一郎の実験的な作品群。実験的としか言いようがなく、戸惑うばかりだ。 「やがて光源の…/…」は小説と詩のような断片の連なりとを読んでいると共鳴するようなものがあるし、独立しているようにも感じられる。「異邦人#6−4」はふつうの短編として理解…

蓮実重彦「『赤』の誘惑」(『新潮』2005年7月号)

文芸評論に戻ってこないかなぁとか思いつつ、映画評論をちらちらと読んでいて、それからこの文章を読むと、ああやっぱり文芸評論も映画評論もつながっているのだなぁと思う。改めて思うと言った方がいいか。いずれにせよ、老人パワーに期待。

青山真治「死の谷’95」(『群像』2005年7月号)

なんとなく作家としての青山真治が気になっていたので読んでみた。兄・一郎の依頼から弟・次郎が探偵をして…という始まりで、嫂を尾行する。その探偵ごっこをきっかけに、次郎は探偵業を始めてというのが第2部。その第2部で関わる依頼が最終的には第1部に…