岡田利規「三月の5日間」(『新潮』12月号)

 思ったより面白かった。
 最初の部分、若者たちが酔っ払って大声を出しながら電車、駅、そして六本木からライブハウスへと向かう描写がよかった。ああこういう感じってあるよなぁと思った。
 映画館での描写がいまいちよく分からなかった。なぜライブハウスへと足を運んだのかについての理由付けではあるんだけれども、なぜにああいう女性を登場させたのかなぁ。
 まぁ、ともかく題名にある5日間と、ラブホテルの外での出来事と、その前のライブハウスでの出来事といったところから総合的に生じる感覚というのは共感できるような、できないような…。それでもひとつのある雰囲気をつかんではいるのかも。