「大江健三郎、語る」(『新潮』11月号)

 『さようなら、私の本よ!』を書き終え、『取替え子』『憂い顔の童子』『さようなら、私の本よ!』の三部作を終えた心境を大江健三郎が語っている。
 いままでの諸作品からの流れ、創作の発想、書き方、今後のことなど。私小説的といわれることに対して、太宰治などを引き合いに出しつつ、自らの書き方を示している点は、ある意味小説を読むことでもわかる範囲のことだと思う。なんていうか、むしろ私小説として読んじゃう評論家たちの読み方が浅いんじゃないかと。