殊能将之『ハサミ男』(講談社文庫ISBN:4062735229)

 再読してみるときちんとミステリとして作られているなぁと感心する。でも、ミステリとして読むよりも、ジャーナリズムへの批評や小説や音楽の多くの言及といった細部を楽しめる。XTCが出てきたり、ビーチボーイズジャネット・ジャクソンまで出てくる。小説ではレイモンド・チャンドラーやジェイムス・ジョイスといったところが言及される。