境界

 今日も寒い。へんな天気だ。古井由吉『槿』(講談社文芸文庫ISBN:4061983334)を読み始める。少し読んだところで松浦寿輝の小説を想起した。中年の悲哀というのはこのころからあったんですね。古井由吉の場合は境界の向こう側には行かないところで踏みとどまる感じがある。一方で、松浦寿輝の場合は境界の向こう側とこちら側を行き来するところに快感があるんだろう。