2005-05-13から1日間の記事一覧

殊能将之『ハサミ男』(講談社文庫ISBN:4062735229)

再読してみるときちんとミステリとして作られているなぁと感心する。でも、ミステリとして読むよりも、ジャーナリズムへの批評や小説や音楽の多くの言及といった細部を楽しめる。XTCが出てきたり、ビーチボーイズ、ジャネット・ジャクソンまで出てくる。…

境界

今日も寒い。へんな天気だ。古井由吉『槿』(講談社文芸文庫ISBN:4061983334)を読み始める。少し読んだところで松浦寿輝の小説を想起した。中年の悲哀というのはこのころからあったんですね。古井由吉の場合は境界の向こう側には行かないところで踏みとどまる…