『極西文学論 Westway to the World』仲俣暁生

 面白かった。文芸雑誌『群像』で連載されていた際にも読んでいたので再読に近い。
 保坂和志阿部和重吉田修一星野智幸舞城王太郎を繋ぐひとつの試みとして読めた。同時代の小説家たちが何を書き、そこに通底するものは何かを、外堀を埋めるように述べている。したがって、小説家一人一人への掘り下げは物足りない。けれども、仲俣が提示する見方を指針として、同時代の小説家たちの著作へと向かう意欲を十分に引き起こしてくれる。