エマニュエル・ダーマン『物理学者、ウォール街を往く。』
- 作者: エマニュエルダーマン,Emanuel Derman,森谷博之,長坂陽子,船見侑生
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 単行本
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そして、その話が終わってやっとダーマンのクオンツ時代の話へとなる。クオンツがどんなことをやっているのか、ダーマンが働いていたゴールドマンサックスにはどういう人たちがいたのか、ブラック・フィッシャーの人間性とか、それこそダーマンが働き始めた時期は金融技術(金融工学)が生まれ発展していった時代なのでそれがどういう展開をしてきたのか、などなど。
その中でもスリリングなのは、ダーマンの研究だろう。ブラック・ショールズモデルの話から、局所ボラティリティモデルへとどういう風に拡張していったのか。その説明はすごくわかりやすくて勉強になった。
物理学者として理論を突き詰めてきたひとが、クオンツとして実務に入り、そこで金融理論との格闘をする。そのなかで、理論と実務とはなんだろうか、というふうに考えた思考が、最後のほうに書かれているけれども、これについては結構ふつうな感じがした。
普通ではあったけど、その関係を常に頭にもっている必要はあるなぁ、とは改めて思った。