小島寛之『使える!確率的思考』

使える!確率的思考 (ちくま新書)

使える!確率的思考 (ちくま新書)

 終章「不確実性下における選択の正しさとは何か」の文章に遭遇したことができたんで満足。「正しい選択」と「合理的な選択」の差異というもの、「祈り」とか「覚悟」という文学的なものの存在についてに関して書かれているのだけど、この文章でいろいろと考えることができそう。
 もちろん終章以外の章も面白い。丁寧に具体的にわかりやすく確率について書いていると思う。最後のほうに触れられている「事例ベース意思決定理論」は最近出てきたことだし、結構新しいことにも触れているなぁという感じがした。
 小島寛之はたしか『文學界』で村上春樹論を書いていたと思う。その論もそこそこ面白かった気がする。