鹿島田真希「ナンバーワン・コンストラクション」(『新潮』2006年1月号)

 「白バラ四姉妹殺人事件」と「六〇〇〇度の愛」を掲載時に読んだ記憶があるけど、どちらも読みにくかったなぁという印象が強かった。
 その点でいえば、今回の「ナンバーワン・コンストラクション」は予期していた以上に読みやすく、書かれている内容もわかりやすくなっている。
 この作家の作品に出てくる女性(聖女?)の振る舞いが違和感がありすぎていたり、ストーリーの展開が微妙であったり、キリスト教の背景であったりがとっつきにくいせいがあるにはあるんで、僕はあまり好きにはなれないんだけれども…。
 内容は、建築の話と交差して、愛について、あとはアイデンティティの話とかそれこそ文章を書くこと、生きることが扱われるている。テーマ的にそんな感じ。適当ですいません。
 いずれにしても、読みやすくて、ある意味わかりやすいということ。面白いと思うかは個人差があるだろうけど、僕は小説を読む過程でいろいろと考えることができたんで面白かったなぁと思う。
 ただ、これが「新しい作家の飛躍」になっているかどうかは微妙。