イアン・マキューアン『アムステルダム』

アムステルダム (新潮文庫)

アムステルダム (新潮文庫)

 クレストブックからの文庫化。ブッカー賞受賞作。
 音楽家クライヴと編集長ヴァーノンを中心としてストーリーが流れていく。クライヴは新たな交響曲の作曲に追われ、ヴァーノンは売り上げを伸ばそうと必死になっている。そういう状況で、ガーモニー外務大臣のスキャンダラスな写真が舞い込んできて、クライヴとヴァーノンの関係が崩れていく。…。
 良識を持っているけれども仕事に没頭している人間がまわりに起こることに対してどう対処していくかを描くことで、モラルの問題などを取り上げるという形になっている。まぁ、そういう形式だけで面白いんじゃないかと。でも、ストーリーはふつう過ぎるんじゃないかと思うけど。