森鴎外「百物語」+谷崎潤一郎「秘密」(浅田次郎編『見上げれば 星は天に満ちて』文春文庫ISBN:4167646056)

 「百物語」。ユーモアに溢れている感じもあるし冷笑的でもある。まさに傍観者が書いた感じが出てる。
 「秘密」。秘密は秘密であることにおいて意味をなす。当たり前なことだけど。そんなことはどうでもよくて、女装することで世界観が変わるってことや道をたどるというような趣向は、現代文学でもよくあるなぁと。
 どちらも明治44年の作品だそうだ。その当時、森鴎外は五十前後、谷崎潤一郎は二十五歳。谷崎は若い頃からすごいなぁと思うし、森鴎外森鴎外でやっぱり良いなぁと。まぁ、好みはひとそれぞれです。