古川日出男『二〇〇二年のスロウ・ボート』

二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫 (ふ25-1))

二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫 (ふ25-1))

 副題に「中国行きのスロウ・ボート RMX」とあり、著者自身の解説でも言及されているように、村上春樹の「中国行きのスロウ・ボート」のリミックス。
 ほとんど覚えていなかったので村上春樹のほうもあとから見直してみたら、ちゃんとリミックスになっていたんで少しおどろいた。題名からしてそうだし、章題もそうだし、ストーリーもそうといえばそうだし。それでもやっぱりこの作品は古川日出男の作品だし、2002年頃のことが反映されているし、ひとつの作品になっているなぁと。
 だからといって、こういうリミックスが新しいかというとそうでもないと思うんで、斬新さはないなぁとも思ったりする。だから、悪く言えば古川日出男風味にしただけのものってことになりかねない。まぁ、そうなってないと思うけど。