2006-03-29 大江健三郎『人生の親戚』 人生の親戚 (新潮文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/07/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見る 悲しみにあふれているんだけれども、大江らしくユーモアもあるし、とにかく生きることに励ましを与えてくれる小説。そして、他者を理解することの困難さをも示しえていると思う。 初期の荒々しさ、ロックで言う初期衝動的なものが現れている作品群(要するに大江の初期作品群)がやっぱり好きなんだけれども(それは僕自身の年齢と関係があるのかもしれないが)、この中期(また後期)における宗教的な発想(祈るとかそういうこと)や共生というものもやっぱり訴えてくるものがあるなぁと思った。