村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

 笠原メイが良いキャラだ。こういう女の子が村上春樹の小説では印象に残る。確か『ダンス・ダンス・ダンス』でも、女の子が出てきた。
 「僕」はこっちの世界とあっちの世界をしっかりと分けるのにもかかわらず、自分のなかの気持ちは判然としない。非常にあいまい。なんでこんなことになるんだろうか。ふつうなのかな。自らの世界に閉じこもっているとしか見えなくなってくる。実際、電話を待つだけだし。彼も自ら電話をかけることはめったにない。叔父さんに電話したりはしているけど。