玄侑宗久『中陰の花』

 芥川賞作品で表題作の「中陰の花」と短編「朝顔の音」収録。
 「中陰の花」は死や成仏などに関する小説。玄侑宗久はどうやらこの小説をある種の暴露だと思って書いているようなのだが、そんなに暴露しているか?確かに仏教の教えそのものからははずれたことをしているのだろうけど、小説としてはとくべつ新しいことではないと思う。
 「朝顔の音」は最後に朝顔の蔓を切り裂く展開が鮮やか。